2023年11月
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水の安全保障と気候適応に関する会議を開催 インド

インド工科大学マドラス校(IIT-M)傘下の世界水・気候適応センター(ABCDセンター)がコーディネートして、「水の安全保障と気候適応(WSCA)会議」が10月4~7日まで開催された。

この会議は、水の安全保障と気候変動への適応の関係について、知識と実践的なノウハウを交換し、ベストプラクティスを実践することが目的だ。水に関連する問題における持続可能性の重要性を強調し、科学者、技術者、政策立案者、産業界にその必要性を訴えた。

開会式でインドのアンナマライ大学のT.バラスブラマニアン(T. Balasubramanian)教授が、「今後数十年間、ストレスのない水を利用するためには、水、健康、政策立案者などの分野横断的な専門家との緊密な交流や、水質汚染を避ける意識を広めることも重要です」と強調した。また、議長であるIIT-M海洋工学科のS.A.サナシラジ(S.A.Sannasiraj)教授は、「WSCA2023の重点分野は、持続可能な開発による適応と緩和です。これは、あらゆる面で自給自足と持続可能性の達成を目指す世界的な傾向から、特に重要な意味をもちます」と話した。

会議には、ミヒャエル・キュヒラー(Michaela Küchler)駐チェンナイ・ドイツ総領事も参加し、水飢餓の問題に取り組む上で、インドとドイツの協力関係を全面的に支援することを表明した。

会議の重点分野は以下の通り。

  1. A. 気候変動適応のための新技術
    1. a. 水処理
    2. b. 廃水処理
    3. c. リデュース、リサイクル、再利用
    4. d. 沿岸水域とインフラの保護
    5. e. 廃棄物管理と資源回収
    6. f. 伝統的知識の再構築
  2. B. ベストプラクティス
    1. a. 自然に基づく過剰水管理
    2. b. 持続可能で公平な赤字管理
    3. c. リスク評価、マッピング、レジリエンスの構築
    4. d. 水・エネルギー・食糧のネクサス
    5. e. 水インフラの適応計画、設計、実施
  3. C. ガバナンスと政策
    1. a. 気候変動に強い水インフラへの融資
    2. b. 包括的かつ参加型の適応策と緩和策
    3. c. 制度的構造と能力構築
    4. d. グッドガバナンスの例
    5. e. 社会経済水文学
    6. f. ブルーエコノミー
    7. g. 越境と紛争に関する交渉と協定

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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