インド工科大学ブバネーシュワル校(IIT-BBS)の科学者たちが開発した人工知能(AI)に基づく気象予測モデルが、洪水に見舞われやすいアッサム州の豪雨を従来の方法よりも正確に予測した。科学誌nature indiaが11月16日に伝え、研究成果は学術誌IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensingに掲載された。

インド気象局(IMD)やその他の気象機関は、予測に力学モデルを使用している。インド北東部では、この地域の豪雨の背後にある複雑な物理的メカニズムの理解が不十分なため、これらのモデルの精度は38％程度にとどまっている。

IIT-BBSのサンディープ・パトナイク(Sandeep Pattnaik)博士らは、従来の力学モデルにAIを統合し、深層学習モデルであるU-Netをカスタマイズして、降雨分布パターンを特定し、降雨強度をIMDの標準的なカテゴリーである小雨から超大雨に分類した。AIモデルには、アッサム地方の地区スケールの高解像度動的気象モデルから出力された毎日の累積降雨量が与えられた。AIモデルは、予測と観測データを照合し、従来のモデルにおける降雨の分布、量、強度の偏りを捉えるように学習した。これらのバイアスを補正して予測を提供した。

ケーススタディとして、2022年6月15～19日にかけてアッサム州で発生した大雨のデータをAIモデルに学習させた。AIモデルは、バルペタ、カムラップ、コクラージャル、なるバリの4地区について、72時間前に大雨(1日150mm以上)を正確に警告した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部