インド工科大学マドラス校(IIT-M)は、インド工科大学カンプール校(IIT-K)、応用マイクロ波電子工学研究協会(SAMEER)と共同開発した5G RAN (Radio Access Network)技術を、業界パートナーでありタタ・グループ企業のTEJAS NETWORKS社に対して、1億2000万ルピーでライセンス供与したことを発表した。
ライセンス契約の締結式は2023年12月11日にIIT-Mで行われ、IIT-MのV.カマコティ(V. Kamakoti)学長をはじめ、TEJAS NETWORKS社CTOのクマール・N・シバラジャン(Kumar N. Sivarajan)博士、IIT-M、IIT-K、SAMEER、インド電子情報技術局(MeitY)の要人らが出席した。
カマコティ学長は、「同社が、5G RAN技術を採用することを大変うれしく思います。このイニシアチブは、インド政府のAtmanirbhar Bharat(自立したインド)ビジョンに沿ったものです。トランスレーショナル・リサーチの重要性を示す素晴らしい事例であり、今後、国民がこの技術の恩恵を受けることを願っています」と語った。
シバラジャン博士は、「IIT-M、IIT-K、SAMEERと包括的な5G RAN技術のライセンス契約を締結できたことをうれしく思います。これは、インドのハイテク分野における産学連携の新たなベンチマークとなります。これらの最先端のイノベーションを、製品やソリューション開発に活かすことを楽しみにしています」と話した。
5Gテストベッドは、8つの研究機関が参加し、インドの通信省電気通信局(DoT)が資金を提供する共同プロジェクトを通じて、独自に開発された。インドの5G基地局のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアが開発され、基地局は、5Gシステムの無線アクセスネットワーク(RAN)部分を形成する。さらに、基地局はIPネットワークでコアネットワークに、無線側ではユーザー機器(携帯電話)に接続される。2022年5月にナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相によって落成式が執り行われ、それ以降、5Gの新製品やユースケースのテストに産学界で幅広く利用されている。
(2023年12月11日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部