インド工科大学マドラス校(IIT-M)は1月12日、ヒュンダイ・モーター・インディア(Hyundai Motor India Limited)社、およびタミル・ナードゥ州投資担当部局のガイダンス・タミル・ナードゥと、水素バレー・イノベーション・ハブの設立に関する了解覚書(MoU)を締結したと発表した。
水素バレー・イノベーション・ハブの設立は、インド国内での水素の利活用を促進することを目指す。IIT-Mはハブ設立のためのノード機関であり、製造の現地化、技能開発、検証プラットフォームの構築、ロードマップ、水素エコシステムの状況分析に力を入れる。
このプロジェクトは、総事業費18億インドルピーのうち、ヒュンダイ・モーター・インディア社が設備投資の要件に対し10億インドルピーを投資する。
ヒュンダイ・モーター・インディア社のMD兼CEOのウンスー・キム(Unsoo Kim)氏は「私たちは、産業界と各企業の関与を組み合わせたこのような協調的な取り組みが、タミル・ナードゥ州を1兆ルピー経済圏に押し上げる一助になると確信しています」と語った。
IIT-Mは土地、建物インフラ、研究開発インフラを含め、IIT-Mのキャンパスに水素バレー・イノベーション・ハブを創設する責任を負う。また、ハブを運営・維持しながら、技術開発のためのカリキュラムや知識体系を開発する。
IIT-MのディレクターであるV.カマコティ(V. Kamakoti)教授は、「わが国が持続可能な開発目標の達成に向けて明確な目標を設定している中、非化石燃料の利用は非常に重要です。IIT-Mがコーディネートするコンソーシアムが、水素・バレー・プロジェクトを立ち上げています。ヒュンダイ・モーター・インディア社からの資金提供は、適切なタイミングであり、このコンソーシアムの成長に役立ちます。私は、このコンソーシアムが、非化石燃料のグリーン水素による代替に向け、実現可能なソリューションを提供することを確信しています」と取り組みの意義を語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部