インド工科大学デリー校(IIT-D)の研究チームは、深層学習モデルを利用して、膝の変形性関節症の評価を可能にしたと発表した。科学誌nature indiaが1月24日に伝えた。研究成果は学術誌Tissue. Eng. Part Aに掲載された。
膝の変形性関節症は、膝関節の骨の端を緩衝する役割を持つ軟骨が徐々にすり減ることで発生する。開発されたモデルは、疾患の特徴を組織画像から解読することができ、臨床医が軟骨の損傷を評価するのに役立つと研究チームは述べている。
組織検査を専門にする病理医は、変形性関節症に関連する組織画像を手作業で評価する。この作業は煩雑で、エラーが避けられないプロセスとなっている。スーラブ・ゴシュ(Sourabh Ghosh)氏が率いる研究チームは、4つの深層学習モデルをトレーニングし、染色強度や細胞の分布と配置、細胞形態に基づく組織画像を評価した。「染色強度、細胞の分布と配置、細胞形態のそれぞれのパラメータについて、0~9までの評価を行い、軟骨の損傷程度を4段階に分けて評価します」と研究者らは実験方法について説明している。
調査の結果、「DenseNet121」と呼ばれる深層学習モデルが最も効率的な結果を残し、84%精度で軟骨の損傷程度を評価した。また、別のモデルである「ResNet50」も81%の精度で損傷程度を評価することができた。ゴシュ氏は、「これらのモデルは、人間が診断するよりも優れた性能を発揮し、軟骨損傷の評価における曖昧さを解消する可能性があります」と技術についてアピールした。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部