インド・プネーにある軍事医科大学の研究チームは、ヨガニドラ(yoga nidra)の実践が睡眠を改善し、学習や記憶、その他の認知タスクを向上させ、睡眠不足の人々に役立つ可能性があると発表した。科学誌nature indiaが1月31日に伝えた。研究成果は学術誌PLOS ONEに掲載された。
アクティブな形のヨガは、身体的なポーズ、呼吸、筋肉のコントロールに重点を置いたものだが、ヨガニドラは横になっている間に意識的なリラクゼーションへと導くものだ。軍事医科大学の研究チームは41人の被験者に対して日中にヨガニドラのセッションを2週間実施し、その後、認知テストと睡眠パターンの変化を評価する測定を行った。
その結果、ヨガニドラは被験者の睡眠を改善し、深い睡眠を引き起こし、注意力、学習力、記憶力、その他の認知タスクを向上させたことが分かった。すべての認知テストにおいて、正確さを失うことなく、より早い反応を示しており、この結果は、さまざまな脳領域、特に大脳皮質と記憶に関わる海馬の処理速度が上がったことを意味している。
研究者らはヨガニドラについて、身体の「闘争と逃走」(fight or flight)反応を促す交感神経系の活動を低下させ、身体を落ち着かせ入眠を可能にする副交感神経系の活動を増加させることにより、睡眠を改善すると述べた。また、ヨガニドラは、軽度の学習障害や認知障害の患者を助けるために利用できる可能性があるという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部