2024年10月
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本田技研工業と協調人工知能の研究に関するMoU締結 インド工科大学デリー校

インド工科大学デリー校(IIT-D)は9月11日、IIT-Dと日本の本田技研工業株式会社(Honda)の現地法人であるホンダ・カーズインディア(HCIL)社が、人工知能(AI)を利用した人と機械の相互理解を可能にする協調人工知能であるHonda CIの発展のための了解覚書(MoU)を締結したと発表した。

このMoUは、IIT-Dのディレクターであるランガン・バネルジー(Rangan Banerjee)教授とHCIL社の社長兼CEOの津村卓哉(Takuya Tsumura)氏の立ち会いの下、IIT-Dの教授であるプリーティ・ランジャン・パンダ(Preeti Ranjan Panda)学部長(企業関連)とナレシュ・バトナガル(Naresh Bhatnagar)学部長(研究開発)、HCIL社の上級副社長兼ディレクターのウディット・クマール(Udit Kumar)氏が署名を行った。

IIT-Dは、多くの優れた研究者やエンジニアが在籍している。このMoUに基づき、Hondaの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所(Honda R&D Co., Ltd)とHCIL社のエンジニアがIIT-Dの研究者と共同で、衝突回避や自動運転に向けたCIの基礎技術を発展させる予定だ。

IIT-Dのパンダ教授は、「AI技術を活用した持続可能で機能的な製品に対する需要の高まりを背景に、モビリティ業界は大きな変化を経験しています。このパートナーシップは、IIT-Dの高度な研究とHondaの実用化に向けた専門性を活用し、イノベーションを迅速に進め、幅広い用途において顧客と社会の双方に利益をもたらすソリューションを生み出すことを目的としています」と語った。

Hondaは、これまでCIの研究開発に取り組んできたが、現在茨城県常総市でCIを活用したマイクロモビリティビークルやロボットの実証実験を行っている。IIT-DとHondaは、CIのさらなる進化を目指し、周辺環境の認識や、協調行動の育成などを共同研究テーマとして設定し、最先端のAI技術を活用した研究開発を進める。

また、今回の共同研究の一環として、HondaはIIT-Dの協力を得て、デリー近郊で運転支援技術や自動運転技術の検証を行うことを目指す。デリーの厳しい交通環境下で技術検証を行うことで、HondaとIIT-Dは、CIの基盤技術を磨き、インドを含めた世界のさまざまな地域で通用する運転支援技術や自動運転技術の開発を目指す。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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