インドの大気汚染データをオープンアクセス画像に変換する新しい可視化ツールが登場し、有害な汚染物質を削減するための行動が呼びかけられている。科学誌nature indiaが11月11日に伝えた。これに関連した研究成果が学術誌Communications Earth & Environment、PNAS、EGUsphereに掲載された。
深刻な大気汚染に悩むデリーは、ライトペインティングフォトプロジェクトを通して、人々に大気質指標(AQI)を実際に見てもらうように呼びかけている。これは、大気汚染を身近で個人的な問題として感じてもらうためのものだ。また、人新世の空気と名付けられたプロジェクトは、インドで最も汚染の少ない空気と最も汚染された空気を比較している。このプロジェクトでは、大気汚染センサーに接続されたLEDライトを使用して、ヒマーチャル・プラデーシュ州の丘陵地帯と、デリーのスモッグの汚染レベルが分かる画像をリアルタイムで公開している。このプロジェクトを共同で開発した英国バーミンガム大学のフランシス・ポープ(Francis Pope)氏は、「ライトが早く点滅するほど、汚染レベルが高いことを意味します」と説明した。
インド工科大学ガンディナガール校(IIT-Gandhinagar)でも同様の取り組みとして大気質情報を簡単に可視化するLLMチャットボットが導入されており、大気質情報のアクセスに変化をもたらしているという。こうした可視化ツールの中には、大気質データが公開され、透明性ある情報が人々の意識を高め、大気質の改善につながったという研究結果に影響を受けたものもある。
大気質研究者でありUrbanEmissions.Infoの創設者兼ディレクターのサラト・グティクンダ(Sarath Guttikunda)氏は、「このアプローチで、より多くの人々を大気汚染との戦いに引き込むことができます」と述べた。これらのツールは、汚染が健康に与える影響を強力に示し、政策介入の緊急性を強調する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部