2025年01月
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インド工科大学マドラス校学長、教育予算は3年ごとに倍増すべき

インド工科大学マドラス校(IIT-M)は1月2日、IIT-Mの学長であるヴィージーナタン・カマコーティ(Veezhinathan Kamakoti)氏が技術主権の意味や2047年までに先進国になるというインドのビジョンに向けての課題などについて語った対談インタビューを伝えた。

学長への対談インタビューは下記の通り。

Q. あなたにとって技術主権は何を意味しますか?

A. 先進国は、技術を発明し、特許を取得することで技術主権を獲得しています。彼らは、どのような技術であれ、それがグローバルスタンダードの一部になることを確認することで、先進国になることを実現しました。インドは、国として標準化に向けて取り組まなければなりません。主権とは交渉のテーブルで良い駆け引きができるものを少なくとも持つことだと私は考えます。

Q. 2047年までに先進国になるというインドの目標において、IIT-Mを含めたIITの役割をどのようにお考えですか?

A. 先進国インド(Viksit Bharat)2047は、インドが知識と技術の大国になることを目指すものです。イノベーションと起業家精神が、それに取り組む唯一の方法です。私たちは子どもたちに、スタートアップでキャリアを築くことは非常に良いことだと伝えています。たとえスタートアップの起業に失敗しても、どこかの企業に就職してただ大金を稼ぐより、良いキャリアを積むことができます。これが私たちが育てたい考え方です。

Q. IIT-Mには、設備のための十分な予算がないのでしょうか?

A. 私たちには設備のネットワークが必要です。インドには、最高水準の設備がすべて揃っていなければなりません。そして、それらの設備を管理するための訓練を受けた人材も必要です。本当に一流の機関を目指すのであれば、教育予算は3年ごとに倍増しなければなりません。

Q. 中国は、科学やテクノロジーの分野でトップクラスの人材を多数国内に呼び戻しています。インドが同じことをするには何が必要でしょうか?

A. スタートアップが成功を収め、有望な技術を示さない限り、それは実現しないでしょう。3Dプリントでロケットを作ったAgnikul社や、チップセットを開発したMindgrove社のような企業が必要です。こうして初めて、私たちの国に自信が持てるようになります。そうすれば、人々は戻ってくるでしょう。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部