インド科学技術省(MoST)は1月13日、自治機関であるSNボーズ国立基礎科学センター (SNBCBS)が西ベンガル州プルリア県のパンシェット丘陵に新しい天文台を設置し、天文観測の地理的空白の補完、そして天文学の発展と学生のトレーニング、国内外との連携構築などに貢献していくことを発表した。
地上600メートル、東経約86度に位置するパンシェット天文台は、インド東部のみならず、世界的にも重要な天文台となる。北は北極海から南は南極大陸まで伸びる東経86度沿いには、観測所がほとんどなく、この天文台はその地理的空白を埋めるものとなる。
SNBCBSは、シドーホー・カンホー・ビルシャ大学(SKBU)と天文台の運営を共同で行い、資源を共有するための覚書(MoU)を交わした。SKBUで行われた落成式で、SNBCBS所長のタヌスリ・サハ=ダスグプタ(Tanusri Saha-Dasgupta)博士は、「センターが観測天文学の知識体系に大きく貢献できることを期待しています」と述べた。また、落成式に出席したMoST財務顧問のヴィスワジット・サヘイ(Viswajit Sahay)氏は、「天文台は周辺に独自のエコシステムを形成しており、パンシェット天文台もそのような可能性を秘めています」と述べた。SKBUの副学長であるパビットラ・クマール・チャクラバーティ(Pabitra Kumar Chakrabarty)博士は、「西ベンガル州の後進地区とされるプルリア県に新しい天文台が設置されることは、学生にとって大きな励みになるでしょう」と述べた。
このプロジェクトは、2018年に正式に土地を取得した後、開始した。SNBCBSの天体物理学部門の3名の研究者によって、構想、レイアウト、設立が進められてきた。彼らの作業には土地の特性評価、天文観測条件や気象パラメータの測定、観測用の14インチ望遠鏡の設置が含まれている。
(出典:いずれもPIB)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部