インド理科大学院(IISc)は1月14日、タタ・グループ(Tata Group)と提携し、IIScベンガルールキャンパスにタタIIScメディカルスクールを設立するための了解覚書(MoU)に調印したことを発表した。
タタIIScメディカルスクールは、基礎科学と工学を臨床と応用に生かすことで、インドにおける臨床研究と医学教育のユニークなモデルを促進することを目指している。腫瘍学、循環器学、神経学、腎臓学、糖尿病・代謝性疾患、感染症、統合医療、公衆衛生などの分野に重点を置く予定だ。
MD-PhD(医師免許取得後、大学院で博士課程に進学する)やデュアル学位プログラムを提供し、未来を担うフィジシャン・サイエンティストや医療技術者を育成する。また、医学部だけではなくIIScの科学・工学研究所で同時に学び、世界中の有名な医学部と提携し、グローバルな知識や技術などを身につけることができるという。医学教育と研究を実践するロールモデルとなり、全国への普及を目指す。
タタ・グループはタタIIScメディカルスクール設立に対して50億ルピーを拠出する。タタ・グループの主要投資持株会社であるタタ・サンズ(Tata Sons)社のN・チャンドラセカラン(N Chandrasekaran)会長は「インドにとって最大の課題、そして最大のチャンスである医療に対して貢献できることを嬉しく思います。タタIIScメディカルスクールは、地域社会の健康を維持し、インドを世界的な医療革命の最前線に位置づける上で重要な役割を果たすと信じています」と述べた。
IISc所長のG・ランガラジャン(G Rangarajan)教授は、タタ・グループとIIScの共通の創業者であるジャムセトジー・ヌセルワンジ・タタ(Jamsetji Nusserwanji Tata)氏に敬意を評し「インドと世界のために手頃な価格の医療ソリューションを創造していきます」と決意を語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部