2025年02月
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インドのWASHイノベーション、世界経済フォーラムで注目を集める

インド水資源省は1月24日、C.R.パティル(C. R. Patil)大臣がダボスで開催された世界経済フォーラムにおいて、「インドのWASHイノベーション:世界にインパクトを与える気候と水の持続可能性における開発事例」と題したセッションで基調講演を行ったことを伝えた。

(出典:PIB)

このセッションでは、インドの水、トイレ、衛生習慣(WASH)分野における革新的な取り組みが紹介され、気候変動への対応や持続可能な開発における重要性が強調された。パティル大臣は、インドが実施している「スワッチ・バーラト・ミッション(SBM)」と「ジャル・ジーヴァン・ミッション(JJM)」の成果を紹介した。これらの取り組みにより、農村部の多くの家庭に安全な飲料水が提供され、衛生環境が大幅に改善された。特に、2019年にJJMが開始された当初、農村部の家庭の17%しか機能的な水道設備を持っていなかったが、現在では79.66%の家庭が安全な飲料水にアクセスできるようになった。この変革により、農村部では水汲みに費やす時間が1日あたり5500万時間削減され、特に女性の労働参加と生産性の向上に寄与している。さらに、こうした取り組みにより、30万人の5歳未満の子供の命が救われたと世界保健機関(WHO)は報告している。これらの成果は、コミュニティの参加、行動変容、技術の活用を重視したインドのアプローチが効果的であることを示しており、同様の課題に直面する他国にとってのモデルとなり得る。

基調講演に続いて、「水の持続可能性における取り組みの世界的影響の実現」と題したパネルディスカッションが行われ、ガンジス川浄化ミッション(NMCG)、国連児童基金(UNICEF)、ウォーターエイドなどの専門家が参加し、世界的な水の持続可能性を推進するための革新的なアプローチや戦略が共有された。

また、「トイレを通じたグローバルヘルスにおけるイノベーション」と題した別のパネルでは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、スイスのベンチャーキャピタルやベンチャーなどが参加し、衛生分野の革新的な取り組みとそのグローバルヘルスへの影響について議論が行われた。

他にもさまざまなディスカッションが行われ、インドのWASH分野におけるイノベーションが、世界的な持続可能性の課題に対処する上で重要な役割を果たしていることが強調された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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