インド工科大学グワハティ校(IIT-G)の研究者らは、バッテリーで発熱し、撥水性のある綿織物を開発したと発表した。科学誌nature indiaが3月10日に伝えた。研究成果は、学術誌Smallに掲載された。
この綿織物は、膝の痛みや軽度の筋肉損傷を和らげるのに役立つウェアラブルバンドなどのポータブルデバイスに利用することができる。IIT-Gのウッタム・マナ(Uttam Manna)氏率いる研究チームは、綿織物に銀ナノワイヤーの溶液をスプレーし、化学溶液でコーティングすることで、撥水性を持たせた。
この綿織物は、わずか0.3Vで33℃に達することができ、周囲の気温が0~20℃の間で推移しても40℃に達した。電圧を0.3Vから1.5Vに上げると、綿織物の温度は118℃まで上昇した。また、弱い太陽光を利用しても熱が発生し、従来の繊維よりも優れていた。曇り空の下では、携帯用バッテリーによる発熱で、10~15時間暖かさを維持できた。
この綿織物は、12時間の連続使用や、摩擦と洗濯を繰り返しても、加熱性能を安定して維持した。マナ氏は、この素材が持つ通気性や柔軟性は、肘サポーターや局所温熱療法用の衣服の利用に最適であると述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部