2025年06月
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電力規制分野におけるセンターオブエクセレンスを共同設立へ インド

インド工科大学デリー校(IIT-D)は5月28日、IIT-Dとインド中央電力規制庁(CERC)とグリッドコントローラーオブインド(Grid-India)の3者が、IIT-D校内に電力分野の規制、政策、電力市場、送電網運用に関するセンターオブエクセレンス(CoE)を共同で設立するための了解覚書(MoU)を締結したことを発表した。

このCoEは共同研究と分析を通じて、効果的な規制の策定における知識の創出、情報に基づいた意思決定の強化、電力系統運用における現状と課題に対処するための独自のソリューション開発を目指す。

IIT-Dのランガン・バナジー(Rangan Banerjee)学長は「Grid-IndiaとCERCと協力し、電力セクターの変革に向けた研究と政策提言を提供していくことを楽しみにしています」と期待を寄せた。CERCのジシュヌ・バルア(Jishnu Barua)委員長は「CoEは、電力分野の人材の専門知識を高めるうえで極めて重要な役割を果たし、学術界と産業界の橋渡しとなることを期待しています」と語った。Grid-Indiaのサミール・チャンドラ・サクセナ(Samir Chandra Saxena)会長は「この取り組みは、電力セクターにおける規制能力の向上、研究、イノベーションの促進、そしてより強靭で将来を見据えた電力セクターのエコシステム構築に向けた、情報に基づいた政策立案と規制研究の促進に向けた重要な一歩となります」と述べた。

CoEの5つの主要な機能:

  • エネルギー移行期における規制、市場、送電網運用の課題に関する学術・技術・政策研究の実施
  • 送電網運用および関連規制の意思決定を支援するためのシステム研究の実施
  • 規制機関や電力系統運用者のための専門人材育成およびスキル開発(料金モデル、予測技術、電力市場に関する短期研修も含む)
  • 現在のニーズと将来の規制・運用・戦略上の課題に対応するために必要な知識ハブと情報基盤の構築
  • IITデリーを拠点とした学術プログラムの設計・実施

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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