インド科学技術省(MoST)は6月2日、ジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相が、政府の資金で開発されたインド言語向け人工知能(AI)ベースのマルチモーダル大規模言語モデルの立ち上げを発表したことを明らかにした。
(出典:PIB)
このマルチモーダル大規模言語モデルは、バーラト・ゲン(Bharat Gen)と呼ばれ、生成AIと大規模言語モデルにおけるインド最大のサミットとハッカソンであるバーラトゲン・サミット(BharatGen Summit)で発表された。
このサミットは、学際的サイバーフィジカルシステムに関する国家ミッション(NM-ICPS)の下で企画され、インド工科大学ボンベイ校(IIT-B)にあるIoT(モノのインターネット)とIoE(すべてのインターネット)のためのTIH財団を通じて実施された。バーラトゲン・サミットは、インドの言語的・文化的多様性全体におけるAI開発に革命を起こすことを目指している。この取り組みは、インド科学技術庁(DST)の支援を受け、主要な学術機関や専門家、イノベーターによる強力なコンソーシアムを結集する。
科学技術相(独立担当)や首相府閣外大臣(MoS PMO)として原子力省や宇宙省、MoS人事、公共苦情、年金を担当する同相は、サミットで演説し、開発されたバーラトゲンを「倫理的、包摂的、多言語対応で、インドの価値観や精神に根ざしたAIを創造する国家的ミッション」と表現した。このプラットフォームはテキストや音声、画像のモダリティを統合し、22のインド言語でシームレスなAIソリューションを提供する。同相は、「このイニシアチブは、医療、教育、農業、行政など重要な分野を強化し、すべてのインド人を理解して支援する地域特化型のAIソリューションを提供します」と述べた。
サミットでは、アバイ・カランディカール(Abhay Karandikar) DST長官やインフォシス(Infosys)社の共同創業者で業界の重鎮であるクリス・ゴパラクリシュナン(Kris Gopalakrishnan)氏を含めた主要な高官や業界関係者が出席した。彼らの参加は、政府高官や学者、若い学生のイノベーターと共に、インドのAIエコシステムの推進に焦点を当てたサミットに深みとビジョンを与えた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部