インド理科大学院(IISc)は6月23日、IIScと米国のタフツ大学が学術研究協力の促進を目的とした了解覚書(MoU)を締結し、栄養科学と医学分野における協力を強化すると発表した。
このMoUは、IIScのゴビンダン・ランガラジャン(Govindan Rangarajan)学長とタフツ大学のスニル・クマール(Sunil Kumar)学長の出席の下で締結され、両機関が共同で推進する多様な取り組みの発展のための枠組みを確立する。
現在構想されている協力の取り組みとして、栄養科学と医学に焦点を当てた卓越した研究センターの創設がある。IIScに設置されることになるこのセンターは、栄養科学と医学の学際研究センター(ICNSM)として提案されている。これは、両機関の補完的な強みを相乗効果で実現するという、両学長のビジョンを表している。
ICNSMの初期の優先事項は、タフツ大学のジェラルド・J・アンド・ドロシー・R・フリードマン栄養科学政策学部とIIScで実施される基礎研究や応用研究、臨床研究、トランスレーショナル研究などの横断的な研究を推進させることである。これによって、両機関の協力の機会や研究者の交流、革新的な研究機会の創出が促進される。
タフツ大学同学部のクリスティーナ・エコノモス(Christina Economos)教授兼学部長は、「私たちは、若い研究医や保健学分野の研究者に栄養科学の強力な基盤を身に付けてもらうための多面的で柔軟なトレーニングを構想しています」と述べた。
IISc学際科学部門のナヴァカンタ・バット(Navakanta Bhat)部門長兼ナノサイエンス・エンジニアリングセンター教授は、「ICNSMはIISc医学部内に設置し、IIScにおける基礎科学と工学技術に関する深い専門知識を活用します。これにより、IIScとタフツ大学の研究者が、栄養失調や肥満から生じるあらゆる疾患に対処し、インドや米国、世界の他の地域における栄養に焦点を当てたヘルスケアソリューションを共同開発するためのプラットフォームを提供します」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部