2021年06月
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KAIST、ナイロビの新キャンパスに「メタバース」を創出へ

韓国科学技術院(KAIST)は5月10日、オンライン教育からさらに進んだ概念として、キャンパスの活動全体をデジタル上で体験できる「メタバース(Metaverse)」を創出するという構想を発表した。

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、世界各国の教育機関で普及が進んだオンライン授業について、KAISTは、一方向的な知識の伝達を中心とした従来の教育の欠点を補い、よりインクルーシブ(包括的)で創造的な教育を可能にすると考えている。同大学が2020年3月から実施しているZoomのリアルタイム講義と録画映像の配信を組み合わせたオンライン授業についても、実験など等授業の種類によっては課題がみられるものの、全体として学生の満足度は非常に高いという。

KAISTは2023年9月までに、ケニアの首都ナイロビ近郊に建設される予定の都市「コンザテクノポリス(Konza Technopolis)」に新キャンパスを開設する予定である。ここではキャンパスの活動全てを実世界のように体験できる「メタバース」を創出するという。授業には大規模公開オンライン講義(Massive Open Online Course: MOOC)のコンテンツを利用し、学生がナイロビや他の場所にいながら韓国のキャンパスと同水準の授業を受けられるようにする。

今後は、より多様で相互のやり取りが可能なメタバース体験を提供できる大学が学生に選ばれると、KAISTは予想する。場所を問わず、デジタルインフラと最新技術に精通した人材を備えた大学が新たなリーダーとして浮上するという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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