韓国が開発している人工衛星打上げ用ロケット「ヌリ(Nuri)」の認定試験用モデル(qualification model)が6月1日、全羅南道県高興郡の羅老宇宙センター(Naro Space Center)で公開された。
2010年に開発が開始されたヌリは、韓国の技術のみを使って作られた初めてのロケットである。全長47.2メートル、重量200トンの3段式で、1.5トンの人工衛星を高度600~800 キロメートルの地球低軌道に投入できる。主要技術の1つである75トン級の液体燃料エンジンは、ロシアと共同開発した「ナロ(Naro)」で用いられた30トン級の液体燃料エンジンを基に開発された。
韓国の科学技術情報通信部(Ministry of Science and ICT)と韓国航空宇宙研究院(Korea Aerospace Research Institute)は、ヌリ専用に構築された新しい発射台の認定試験を行う計画も発表した。この発射台はロケットを直立させ燃料や推進剤を供給する高さ48メートルの構造物「アンビリカルタワー」(Umbilical Tower)を備えている。
打ち上げモデルのレプリカである認定試験用モデルは、今後数カ月間にわたって、さまざまな試験が行われる。打ち上げモデルの3段目は既に組み立てが完了し、1段目と2段目は現在製造中である。
ヌリの打ち上げは10月に予定されている。成功すれば、韓国は自前の衛星打ち上げロケットを保有する世界で7番目の国となる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部