韓国科学技術院(KAIST)は6月7日、韓国航空宇宙研究院(KARI)及び韓国天文宇宙科学研究院(KASI)と、深宇宙探査に関する共同研究プロジェクト(Deep Space Exploration Research Consortium)を立ち上げることを発表した。KAISTのイ・グァンヒョン(Lee Kwang Hyung)総長をはじめ、KARIのイ・サンリュル(Lee Sang-Yool)院長、KASIのパク・ユンデク(Park Young-Deuk)院長、韓国科学技術情報通信省(MSIT)のヨン・ホンテク(Yong Hongtaek)次官が出席し、合意された。
共同研究プロジェクトについて話し合う参加者ら 写真提供:韓国科学技術院(KAIST)
3機関は過去30年にわたって科学研究で連携してきた実績があり、2020年12月には深宇宙探査に関する研究開発と産業化に関する協力覚書(MoU)を締結している。
今回の会議では中・長期的な深宇宙探査の計画や連携に関する議論が行われた。KAISTは、同院が1992年に打ち上げた韓国初の国産人工衛星「KITSAT-1」を地球に帰還させる計画や、地球を取り囲む放射線帯を探査する計画を発表した。KARIは、2030年までに宇宙打ち上げ用ロケットを用いて月着陸船を打ち上げる計画について説明した。長年にわたりペイロード技術を開発しているKASITは、宇宙の起源の解明にかかわる深宇宙探査の研究の重要性を強調した。
MSITのヨン次官は、10月に予定されている国産ロケット「ヌリ(Nuri)」の打ち上げ後も韓国の宇宙研究能力を強化するためには、探査計画を含むより高度な研究に向けた取り組みを継続することが重要であると表明した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部