2021年08月
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宇宙産業の競争力向上で官民連携拡大計画発表 韓国

韓国科学技術政策研究院(Science & Technology Policy Institute)は5月12日、「新たな宇宙時代において宇宙産業の競争力を高めるための官民連携拡大計画(Plans for Public-Private Partnership Expansion to Improve Space Industry Competitiveness in the New Space Era)」を発表した。

同計画書によると、官民連携(Public-Private Partnership: PPP)はイノベーションの重要なメカニズムとなっており、海外では、コスト効率やリスク分散のため、宇宙開発を政府主導から民間主導に切り替えるためのPPPが推進されている。韓国でも近年、民間主導への転換が行われているが、以下のような制度上の制約という課題がある。

  1. 宇宙分野のPPPが政府主導の国家的研究開発(R&D)プロジェクトとして実施されており、民間企業はサービス提供契約を通じて参加する形である。
  2. 宇宙開発プロジェクトを調達プロジェクトに切り替えるにあたって、世界貿易機関(WTO)の政府調達協定(Government Procurement Agreement)に基づく制約がある。
  3. 政府出資の研究機関では、宇宙分野のPPPへのモチベーションが低い。
  4. 国内調達率の目標等に関し、政府の方針と業界の現状に隔たりがある。

こうした状況に対し、同計画書は以下のような行動を提案している。

  1. 民間企業を「イノベーションへの投資におけるパートナー」と位置付ける。
  2. 民間企業がPPPプロジェクトに参加するための動機付けを強化するシステムを構築する。
  3. PPPの中心組織である韓国航空宇宙研究院(Korea Aerospace Research Institute: KARI)の役割を強化する。
  4. 人材交流を活発化し、官民協力のチャネルを確立する。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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