韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は、5月13日に開催された「第4次産革命に関する大統領委員会」の22回目の総会で、人間中心の人工知能(AI)の「全ての人にとって信頼できる人工知能の実現に向けた戦略(Strategy to realize artificial intelligence trustworthy for everyone)」を発表した。
AIはあらゆる業界や社会でイノベーションを主導し、第四次産業革命を牽引すると期待されている一方、利用の拡大に伴い、偏見の助長等、社会的に及ぼす予期せぬ影響が懸念されている。
欧州連合(EU)、米国、日本を含む先進諸国では、産業や社会でAIを利用するための最初のステップとして、AIに対する社会的な信頼を確保する必要があると認識しており、これを実現するための政策が進められている。日本政府も2019年 に「人間中心のAI社会原則」を発表している。
こうした世界的な潮流の中で、韓国でも、AIのリーダーとなるために、人間を中心に据えた信頼性確保のための政策が必要との認識から、今回の戦略が策定された。
この戦略は、「全ての人にとって信頼できるAI」というビジョンの下、「技術、システム、倫理」の各領域に対応する以下の3つの戦略と10の行動計画を提示している。これらの計画は2025年までに継続的かつ段階的に実施する予定だという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部