韓国・基礎科学研究院(IBS)は7月6日、IBS科学文化センターにおいて「韓国ウイルス基礎研究所」の開所式を行ったと発表した。この研究所は、国家安全保障にも関わるウイルス性疾患の研究分野をリードすることが期待されている。
IBSは、ウイルス基礎研究所の初代所長にチュンブク大学のチェ・ヨンギ(CHOI Young Ki)氏を任命した。また、研究所に設置される2つの研究センターのディレクターには、所長のチェ・ヨンキ氏と韓国科学技術院(KAIST)のシン・ウィチョル(SHIN Eui-Cheol)氏を充てる人事を発表した。
チェ・ヨンギ初代所長は、チュンナム大学獣医学部を卒業後、米国ミネソタ大学においてウイルス学の博士号を取得した。これまでチュンブク大学医学部の教授を務め、ワクチン開発やウイルス感染に関わるメカニズムの研究を行ってきた。チェ・ヨンギ氏は7月1日から、人畜共通感染が可能な変異体ウイルスの発病やそれに関わる新しい診断と治療技術の開発に携わる、「新型・変異型ウイルス研究センター」(Center for Study of Emerging and Re-emerging Viruses)を率いている。
ディレクターのシン・ウィチョル氏は、延世大学医学部で博士号を取得した後、米国立衛生研究所(NIH)でキャリアを積み、現在、韓国科学技術院(KAIST)の医科学大学院教授を務めている。研究テーマは肝炎ウィルスに対する免疫応答である。シン氏は、10月に発足する「ウイルス免疫学センター」(Center for Viral Immunology)を率いることになっている。
IBSのノ・ド・ヨン(NOH Do Young)院長は、この新しい研究所に対して、次のようなコメントを寄せた。
「韓国ウイルス研究所は、ウイルス学の基礎研究分野において世界トップクラスの組織になることを目指します。私たちは、IBS内にある既存の施設やマンパワーを利用して、ウイルス感染症に対処する能力を強化します」
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部