韓国科学技術院(KAIST)の研究者が、未知のドメインでの効率的な材料の探索を可能にする、物質設計用のディープラーニングネットワークの枠組みを開発した。9月29日に発表した。能動的な転移学習(active transfer learning)とデータ拡張の手法を用いてニューラルネットワークを段階的に更新することで、既存のニューラルネットワークの弱点であった未知のドメインでの予測力の低さを改善できる。研究の成果は学術誌 npj Computational Materials に掲載された。
能動的な転移学習(active transfer learning)とデータ拡張の手法を用いて開発した (写真提供:KAIST)
研究を主導したKAISTのリュウ・スンファ(Ryu Seungwha)教授らは、この手法について、天文学的数字の設計候補を取り扱う、さまざまな最適化問題の解決に役立つと期待する。格子を用いた複合材料最適化(grid composite optimization)問題では、最初のトレーニングデータセットの0.5%未満に対応する非常に小さなデータセットしか追加していないにもかかわらず、大域的最適解(global optima)に近い設計を求めることができた。
研究チームは現在、この最適化フレームワークをメタマテリアル構造、セグメント型熱電発電機、センサー分配に関する設計タスクに応用するための研究に取り組んでいる。リュウ教授は「これらの研究を通じて新しいアルゴリズムの長所と短所、潜在力を把握し、最終的には、機械学習を用いたより効率的な設計手法を開発したい」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部