韓国の高麗大学校(Korea University)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で使い捨てプラスチック製品の需要が急増し、持続可能性に向けた政策の実施が滞っているという分析を発表した。10月6日付。こうした分析をまとめた同校のオク・ヨンシク(Ok Yong Sik)教授らの論文はオンラインジャーナル Nature Reviews Earth & Environment に掲載された。
プラスチックごみ
プラスチックの消費量は2020年のCOVID-19のアウトブレイクから数カ月間で急増し、2020年のプラスチックごみの総排出量は2020年の約2倍に上ると推定されている。大きな要因の一つが、使い捨てマスク、手袋、手指消毒剤、個人防護具(PPE)の需要急増である。さらに、COVID-19の影響でプラスチックごみに関する規制や計画が遅延または後退し、プラスチック汚染に対する世界的な取り組みの進展を妨げているという。
同論文では、政府、産業界、消費者、研究機関に対し以下のような行動を推奨している。
オク教授は「プラスチックを循環させることはまだ現実ではないかもしれないが、消費者の意識向上、産業界のイノベーションの促進、政府の投資の拡大、継続的な研究を通じて、環境へのプラスチックの負荷を軽減し、循環型経済に基づく社会を形成できる」と話している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部