2021年11月
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脳はどうやって目に視覚を与えるのか 韓国チームが解明

コンピュータシミュレーションを行ったところ、目から情報が入る前に発達中の網膜は自発活動を行い、視覚野の適切な形成を助けていることが分かった。

AsianScientist - 脳をシミュレーションしてみたところ、赤ちゃんが初めて目を開く前の時期に視覚系の神経回路がどのように形成されるかが分かった。韓国科学技術院 (KAIST) のパイク・セブム (Paik Se-Bum)教授が率いるチームは、この研究結果を Journal of Neuroscience に発表した。

動物は、目が開いたときに物が見えるようになるには、成長の早い段階で脳の視覚系の神経回路の発達が始まらなければならない。しかし、一般的に言って、視覚野のニューロンが視覚系を接続し、系統立て、発達させるためには、目を通しての感覚入力が欠かせない。特に、一次視覚野の異なる部分をつなげる長距離接続が重要であることが知られているが、膨大な研究が行われていたにもかかわらず、それらがどのように形成されるかは知られていなかった。

パイク教授と彼のチームは、目が開く前の視覚野の長距離接続の形成過程を調べるために、猫、猿、マウスなどの若い動物の網膜から得られたデータを使い網膜の構造と活動についてシミュレーションを行った。

シミュレーションから、発達中の網膜には自発活動の波があり、それが同じ方向を有する視覚野のニューロンを共活性化することによって、長距離の水平接続を初期化できることが分かった。

シミュレーションはまた、長距離の水平接続があると、その後視覚野の活動パターンは発達し、フェレットと齧歯動物の目は同じ組織を持つようになることを示した。この結果は、パイク教授と彼のグループが開発したモデルは齧歯動物だけでなく高等哺乳類にも当てはまることを意味する。

パイク教授は「私たちのモデルを使うと、発達初期の感覚入力がなくても視覚野の機能構築が周囲の空間的組織から発生する様子をよく理解できます」とし、「私たちの発見は、神経科学、視覚科学、発生生物学など様々な分野で活動する科学者にとって非常に役に立つと信じています」と説明した。