2021年12月
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金首相主催で「21世紀の宇宙に関する国家委員会」を開催 韓国MSIT

韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は11月15日、韓国航空宇宙研究院(KARI)で、金富謙(キム・ブギョム=Kim Bookyum)首相が主催する「21世紀の宇宙に関する国家委員会(21st National Commission on Space)」が開催されたと発表した。

同委員会は、民間部門が宇宙インターネットや宇宙旅行などの「新事業」(New Businesses)を主導し、宇宙技術が日常生活と密接な関わりを持つ「新宇宙時代」が到来しているとの認識の下で開催された。

政府は、10年後の宇宙ビジネス時代を見据え、中長期的な産業育成戦略を通じて韓国の宇宙産業を発展させるためのロードマップを提示した。この戦略の主な内容は以下の通り。

  • インフラと韓国独自の宇宙関連技術の強化を通じた国内宇宙産業の育成。2022年~2031年にかけての約170基の衛星の開発、約40台の国産打上げ機の発射、羅老宇宙センター(Naro Space Center)の民間部門用発射施設の整備などを含む。
  • 民間企業が宇宙開発事業に参入する際の不安を軽減するための政策の整備。
  • 衛星情報関連の「新事業」の開拓や、企業への衛星情報アクセスの提供。

韓国政府は2022年より、独自の測位システム「Korean Positioning System(KPS)」の大規模開発プロジェクトを開始する。

KPSは超高精度な測位を可能にし、自動運転や都市型航空交通(Urban Air Mobility: UAM)等の「新事業」の基盤になると期待されている。

金首相は、「韓国は宇宙開発の歴史の短さにもかかわらず、国産ロケット『ヌリ(Nuri)』を打ち上げ、1トンを超える衛星の打ち上げ能力を持つ世界で7番目の国となった」と同国の宇宙技術の発展を強調し、「次の目標として自立可能な宇宙産業エコシステムの構築に向けた政策を強化したい」と述べた 。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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