2022年03月
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落ち葉を用いて「グリーンな」マイクロスーパーキャパシタ開発 韓国KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は1月27日、同院の研究チームが落ち葉を原料に用いた環境に優しいマイクロスーパーキャパシタ(micro-supercapacitor)を開発したと発表した。この研究の成果は学術誌 Advanced Functional Materials に掲載された。

KAISTの研究チームは、フェムト秒レーザーの直接描画(femtosecond laser direct writing) を用いて、この「グラフェン-無機-ハイブリッド(graphene-inorganic-hybrid)」マイクロスーパーキャパシタを開発した。ウェアラブル電子機器の進化に対応できる柔軟なエネルギー貯蔵装置が求められるなか、マイクロスーパーキャパシタはそのパワー密度の高さと寿命の長さ、充電時間の短さによって大きな関心を集めている。

(提供:KAIST)

近年、電子製品の普及とともに廃電池の量が急激に増加し、安全・環境面での問題を引き起こしている。一方、落ち葉は完全な生物分解性を持つ持続可能な資源であるが、放置されると火災や大気汚染、地球温暖化の原因になることもある。

この2つの問題を同時に解決すべく、KAISTのキム・ヨンジン(Kim Young-Jin)教授らが率いる研究チームは、フェムト秒レーザーパルスを落ち葉に照射し、高い導電性を持つ3次元多孔質グラフェンの微小電極(3D porous graphene microelectrode)を作成する新技術を開発した。

研究チームは、この技術を用いて低価格で迅速に多孔質グラフェン電極を作成できることを示した。さらに、LEDや電子時計に使用できるグラフェンのマイクロスーパーキャパシタを作成し、電子機器への応用の可能性を示した。

キム教授は「大量に発生するバイオマスである落ち葉を次世代のエネルギー貯蔵装置に利用すれば、廃棄物資源を再利用し、好循環を作り出すことが可能になる」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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