2022年03月
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世界初の六方晶窒化ホウ素を用いた深紫外LED開発 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は2月11日、同校のキム・ジョンファン(Kim Jonghwan)教授らが率いる研究チームが、六方晶窒化ホウ素(hexagonal boron nitride: hBN)を用いた深紫外(deep-ultraviolet: DUV)LEDを世界で初めて開発したと発表した。研究の成果は学術誌 Nature Communications に掲載された。

DUV LEDとは波長域が短い(200~280ナノメートル)紫外光を発する半導体光源であり、人体への害を最小限に抑えながらウイルスや細菌等の病原体を破壊できる手段として研究されている。

(提供:POSTECH)

これまでのDUV LED開発で主に用いられてきた窒化アルミニウムガリウム(AlxGa1-xN)には、短い波長域では電界発光(electroluminescence)が弱まるという欠点があった。

ファンデルワールス(van der Waals)力で結合した層状構造を持つhBNは、AlxGa1-xNと異なりDUVの波長域でも発光するが、バンドギャップが大きいため、LEDの作成に必要な電子と正孔を注入することが困難であった。

そこで研究チームは、hBNナノフィルムにトンネル機構(tunneling mechanism)を生じさせる強い電圧を加えてhBNのバンド端に電子と正孔を注入し、グラフェン、hBN、グラフェンが層状に積み重なったファンデルワールスヘテロ構造のLED素子を作成することに成功した。顕微分光により、この素子は強い紫外光を発することが明らかになった。

キム教授は「この新材料は、AlxGa1-xNよりも発光効率が大幅に高く、小型化を可能にする。将来、殺菌システムや半導体素子の製造工程近距離無線通信に応用できると期待される」 と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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