2022年04月
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バイオ炭の土壌浄化を最適化する手法開発...機械学習活用 韓国・高麗大学校

韓国の高麗大学校(Korea University)は3月21日、同大学の研究チームが、バイオ炭を利用した土壌浄化の効率に影響する要素を、機械学習を用いて予測する手法を開発したと発表した。この研究の成果は学術誌 Environmental Science & Technology に掲載されている。

バイオマスを熱分解して作られるバイオ炭は、重金属による土壌汚染を浄化する方法として効果的である。しかし、バイオ炭を用いた重金属の固定化(immobilization)を最大限達成するための最良条件はバイオ炭や土壌、重金属の特性によって大きく変化する。

オク・ヨンシク(Ok Yong Sik Ok)教授とクムドゥニ・N・パランスーリヤ(Kumuduni N. Palansooriya)博士が率いる国際共同研究チームは、バイオ炭で処理した土壌の重金属の固定化効率を、機械学習を用いて予測する画期的な手法を開発した。チームはバイオ炭の特性と製造の温度、実験条件、土壌の特性、重金属の特性に基づいて固定化効率を予測するための3つの機械学習モデルを開発した。

これらのモデルを訓練した結果、バイオ炭の窒素含有量と施用量(application rate)が、固定化効率を決定する最も重要な特徴であることが分かった。

また、因果解析推論(causal analysis estimate)により、固定化効率における各特性の重要性は、バイオ炭の特性 > 実験条件 > 土壌の特性 > 重金属の特性の順で大きいことが示された。

この研究の成果は、バイオ炭を用いた土壌浄化の効率を最適化することに役立ち、バイオ炭を用いたグリーンエコノミーへの新たな可能性を開くと期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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