2022年06月
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ウサギの眼を使用...ドライアイ等の診断に役立つ結膜杯細胞の非侵襲的検査に成功 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は4月7日、同校と医療機関との共同研究チームが新たな装置を用いて、結膜杯細胞(conjunctival goblet cell:CGC)の非侵襲的画像検査を生きたウサギの眼で行うことに成功したと発表した。この研究の成果は学術誌 Ocular Surface に掲載された。

POSTECHのキム・キへアン(Kim Ki Hean)教授が率いる研究チームはソウル大学校病院(Seoul National University Hospital)等の医療機関の研究者と共同でこの実験を行った。

CGCは、涙液層(tear film)を眼球の表面に広げて眼を保護するムチンを分泌する。この細胞の機能異常や死は涙液層を不安定にし、ドライアイ等のさまざまな眼表面疾患を伴う。そのため、CGCの検査は眼表面疾患を正確に診断し効果的に治療するうえで重要であるが、非侵襲的な検査を行える装置がないため、これまでは不可能であった。今回の研究では、同研究チームが最近開発した非侵襲的な高コントラストのCGC画像化手法を、ヒトの眼と似ているウサギの眼で検証した。

(提供:POSTECH)

消毒剤のポビドンヨードを注入してドライアイを誘導したウサギモデルを観察したところ、最初の2週間はCGCの密度が低下し、3~4週間で正常な水準に回復した。観察されたCGC密度の変化は、涙の分泌量測定等のドライアイの標準的な評価方法、および過ヨウ素酸シッフ(periodic-acid Schiff:PAS)染色による従来の組織学的画像検査の結果と一致していた。

キム教授は「今後は患者向けの装置を開発し、非侵襲的CGC検査の実現可能性や効果を検証するための臨床試験を実施する」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部