2022年06月
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光・音の刺激に反応...プログラムされた機能を実行する化学系を開発 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は5月14日、同校内の研究施設である基礎科学研究院(IBS)自己集合・複雑性センター(Center for Self-assembly and Complexity:CSC)の研究チームが、生物のように複数の外的刺激を感知してプログラムされた時空間的機能を実行できる非平衡(out-of-equilibrium)の化学系を開発したと発表した。

生物には環境から得た情報を処理して困難なタスクを実行する能力が備わっている。1個の細胞でさえ、さまざまな化学・物理的刺激を感知し、細胞内の論理に基づいてこの情報を処理し、細胞分裂や物質の輸送(cargo transport)といった複雑な機能を実行する。

近年、生体を模した人工系の開発を目指し、非平衡状態に存在する複雑な化学反応が研究されているが、このような能力を活用することについてはあまり探索されていなかった。

(提供:POSTECH)

今回の研究では、外部から入力された情報をブール論理に従って処理する2種類の「化学論理系(Chemical logic system:CLS)」が検証された。

1つ目の「CLS-1」では、メチルビオローゲンの酸化還元反応を利用し、光、音、大気中の酸素を用いてプログラムどおりの溶液の色と時空間的なパターンを生成した。

2つ目の「CLS-2」では、光応答性のペプチドの集合に基づき、光と音を用いて、溶液表面に浮かぶ積荷をプログラムどおりに移動させた。

研究を監督したキム・キムーン(Kim Kimoon)教授は、「非平衡CLSの開発は、生体と非生体の領域をつなぐ複雑なジグソーパズルを埋めるピースの1つとなる可能性がある」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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