2022年06月
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廃棄マスクを利用...高性能のアルミニウム二次電池材料を開発 韓国・高麗大学校

韓国の高麗大学校(Korea University)は5月12日、同大学と韓国科学技術研究院(KIST)が共同で運営する大学院「KU-KIST Graduate School of Converging Science and Technology」の研究チームが、ポリオレフィン製マスクの廃棄物を用いて作製したカーボンナノチューブ材料により、アルミニウム二次電池の性能を大幅に向上することに成功したと発表した。

この研究の成果をまとめた論文は、2月22日付で学術誌 Chemical Engineering Journal に掲載された。

アルミニウム二次電池は高エネルギー密度で高出力であるため、電気自動車(EV)や都市型航空交通(urban air mobility:UAM)に適したバッテリー技術と考えられている。

イオン液体電解質を用いるアルミニウム二次電池では、正極へのアルミニウムイオン(負電荷)の吸着により生じる抵抗により電池の性能が低下することが課題となっていた。

今回の研究では、廃棄マスク由来の炭化水素を用いた化学蒸着によって3次元構造を持つカーボンナノチューブを作製することでこの問題に対処した。このカーボンナノチューブが密集した「フォレスト(森)」を触媒ホスト電極(catalytic host electrode)として用いたアルミニウム二次電池は、99%のクーロン効率と、1,000回を超える優れたサイクル安定性を示した。

研究チームを率いたユン・ヨンス(Yun Young-Soo)教授はこの研究について、「次世代アルミニウム二次電池の電極として廃棄プラスチックを利用したナノカーボンを作製した点で意義がある。リチウムのコスト上昇に伴い高エネルギー密度の素子の開発が必要とされるなか、手頃さ、豊富さ、体積あたりの容量に優れたアルミニウム二次電池は、有望な代替技術である」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部