基礎科学研究院(IBS)は5月18日、同院の研究チームが、ナノ構造・ナノ多孔質の基板の形成により、高感度かつタンパク質の付着(fouling)が生じにくいバイオセンサーを開発したと発表した。研究成果は5月17日付で学術誌 Advanced Materials に掲載された。
血糖値測定器などのポイント・オブ・ケア(point-of-care)デバイスは、従来の中央施設での検査に伴う時間や人員の限界を克服できる。一方でこれらのデバイスには、少量のバイオマーカーを検出するための感度や、表面積を増加させると試料の付着によるつまりや汚れが生じやすくなるという技術的課題があった。
今回開発された技術は、溶液中でミセルを形成する塩化ナトリウムと界面活性物質の存在下で金の平板の表面に電気パルスを与えることで、ナノ構造とナノメートルサイズの穴(nanopore)を持つ基板を形成する。
このようにして形成されるナノ構造は感度向上に有利な大きな表面積を持つ。一方、ナノ多孔質の基板は、生体試料の付着を防ぐうえで理想的である。
(提供:IBS)
この新たな技術を用いて作製したバイオセンサーは、少量の血漿または尿試料を用いて前立腺がん患者と健康な人々とを区別できる感度を示した。
研究チームを率いたチョ・ユンキョン(Cho Yoon-Kyoung)教授はこの技術について「生体試料を用いるポイント・オブ・ケアデバイスや診断検査の開発に不可欠になる 」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部