2022年08月
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ニューロンとシナプスを同時にエミュレート...ナノサイズのメモリデバイスを開発  韓国

韓国科学技術院(KAIST)の研究者らが、ニューロン(神経細胞)とシナプス(神経細胞間の接合部)を同時にエミュレート(模倣)するナノサイズのメモリデバイスを開発した。

今回開発されたニューロモルフィック(neuromorphic)メモリデバイスは、ユニットセル内でニューロンとシナプスの動作を同時にエミュレートする半導体デバイスで、人間の脳を模倣するニューロモルフィック・コンピューティングの開発に貢献するものだ。

ニューロモルフィック・コンピューティングは、人間の脳を構成するニューロンとシナプスのメカニズムを模倣した人工知能(AI)の開発を目指している。人間の脳の認知機能に着想を得て、ニューロモルフィック・デバイスの可能性はこれまで広く研究されてきた。しかし、現在の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)をベースとしたニューロモルフィック回路は、人工ニューロンとシナプスの相乗作用なしに単純に接続するだけであり、ニューロンとシナプスの動作を同時に実装するのは困難であった。

そこで、KAIST材料科学工学部のケオン・ジェ・リー(Keon Jae Lee)教授が率いるチームは、従来の人工ニューロンとシナプスを電気的に接続する方法ではなく、ニューロンとシナプスの相互作用を単一のメモリセル内に導入して人間の生物学的メカニズムを再現することに成功した。また開発されたデバイスは複雑なCMOSニューロン回路を単一のデバイスに置き換えることができ、高いスケーラビリティとコスト効率を実現する。

具体的には、ニューロンとシナプスの特性をそれぞれ模倣する揮発性メモリデバイスと不揮発性メモリデバイスを使用し、デバイス内に短期記憶と長期記憶が共存する。閾値スイッチデバイスを揮発性メモリとして使用し、相変化メモリを不揮発性デバイスとして使用する。2つの薄膜デバイスを中間電極なしで統合し、ニューロモルフィック・メモリ内のニューロンとシナプスの機能的適応性を再現する。

リー教授は、「今回開発されたデバイスは、ニューロンとシナプスの間に正のフィードバック効果を実装して再訓練効果も模倣するため、忘れられた情報をすばやく再学習することもできます」と、デバイスの有用性を説明する。

インドの人工知能(AI)関連のポータルサイトINDIAaiが伝えた。5月23日付。研究成果は科学誌 Nature Communication に掲載された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部