2022年08月
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「PICASSO」の手法で蛍光イメージングに成功―15色以上使用、脳のタンパク質を解析 韓国

韓国科学技術院(KAIST)の研究者が、15色以上を用いて脳の重なり合うタンパク質を効率的に画像化・解析できる蛍光イメージング技術を開発した。6月22日付け発表。この研究の成果は5月5日付けで学術誌 Nature Communications に掲載された。

従来の蛍光イメージングでは、4つを超える蛍光色素分子を用いると発された色が混ざり合うため、使用できる色数が限られていた。この問題に対処するために標準スペクトルを用いた測定方法が考案されたが、脳のような異種の要素が混在する(heterogeneous)試料では、小領域ごとに標準スペクトルを測定する必要があるため非効率的で時間がかかる。

この問題を解決するため、「標準スペクトルの測定が不要な手法を開発した」と、共同責任著者のユン・ヨンギュ(Yoon Young-Gyu)教授は語る。

「PICASSO」などの手法で3回の染色・イメージングサイクルにより 45色の多重イメージングを達成した
(Nature Communications/KAIST)

情報理論に基づいて開発されたこの「スペクトルが重複する蛍光色素分子の信号の分解を通じた生体分子の超多重イメージングプロセス(Process of ultra-multiplexed Imaging of biomolecules viA the unmixing of the Signals of Spectrally Overlapping fluorophores)」手法は、画家のパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)にちなんで「PICASSO」と略されている。

チームは、この技術をマウスの脳で用いて、1回の染色で15色の多重イメージングを行うことに成功した。さらに、PICASSOとほかのイメージング技術を組み合わせることにより、3回の染色・イメージングサイクルで45色の多重イメージングを達成した。

もう1名の共同責任著者であるチャン・ジェビュム(Chang Jae-Byum)教授は、「PICASSOは、がんの予後や治療効果と関係する腫瘍微小環境の異種性の解明等、生体分子の空間情報が重要なさまざまな分野に役立つと期待している」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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