2022年09月
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ミリ波後方散乱でIoTデバイスの同時通信を可能にするシステムを開発 韓国KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は、同院のキム・ソンミン(Kim Song Min)教授が率いる研究チームが、後方散乱されたミリ波を用いて、数万台のIoT(モノのインターネット)デバイスの同時通信を可能にするシステムを開発したと発表した。7月28日付。

この研究はモバイルシステムに関する国際会議ACM MobiSys 2022で発表され、「最優秀論文賞(Best Paper Award)」に選出された。

開発されたシステムは、10ギガヘルツ(GHz)以上の広い周波数範囲を利用するため拡張性が高く、非常に小さな電力で運用できる。これを用いることで、設置コストを低く抑えながらIoTデバイスの大規模なインターネット接続環境を構築することが可能になる。


(提供:KAIST)

5G/6Gの中心要素となるIoTは急速に活用されており、その接続を提供する大規模通信システムが必要とされている。ミリ波後方散乱は次世代の通信技術として期待されているが、高周波帯での信号の減少や反射による損失のため、障害物や反射物の多い複雑な環境では利用できないという欠点がある。

今回、研究チームは周波数変調連続波(FMCW)レーダーの符号化利得を維持しながら後方散乱信号を周囲のノイズから根本的に分離する手法を開発することにより、この問題に対処した。

チームはこの装置を、さまざまな障害物や反射物を配置したオフィスにランダムに設置し、効果的に通信できることを確認した。キム教授は「ミリ波後方散乱はわれわれが夢見てきた技術である。IoTデバイスの運用における大規模な拡張性と消費電力の低さは既存技術に類を見ない」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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