韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は、同校のロ・ジュンスク(Rho Junsuk)教授の研究チームが、メタホログラムを用いて、物質が光にさらされたかどうかを検知できるセンシング技術を開発したと発表した。8月1日付。この研究成果は学術誌 ACS Applied Materials and Interfaces に掲載された。
ワクチンを含む医用生体物質は光にさらされると有効性が低下する場合があるため、露光により劣化しているかどうかを確認することは重要である。
メタマテリアルを材料とするメタホログラムは、入射光の方向に応じて異なるホログラフィック画像を表示する技術であり、次世代のディスプレイやセキュリティセンサーへの応用が期待されている。しかし、メタホログラムをあらゆる入射光の偏光(incident polarization)に対応させようとすると、限られた数の色しか表現できないという限界があった。
(提供:POSTECH)
ロ教授と博士候補生のキム・ジュフン(Kim Joohoon)氏が率いる研究チームは、ニュージーランド植物食品研究所(New Zealand Institute for Plant and Food Research)の研究者と共同で、あらゆる偏光状態に対応する「ユニバーサルメタホログラム(universal metahologram)」を用いて、この画期的なセンサープラットフォームを開発した。さらにこのメタホログラムは、化学物質や生体材料の保存容器に取り付けてセンサーとして利用できることが確認された。
この研究成果は、光に敏感な物質を安全に梱包・輸送する技術として活用できる可能性がある。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部