2022年10月
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抗生物質を用いた高効率な有機発光素子(OLED)を開発 韓国

韓国の高麗大学校(Korea University)は、同大学の研究チームが、抗生物質を用いた高性能なトップエミッション(top-emission)型有機発光素子(OLED)を開発したと発表した。8月30日付け。この研究成果は学術誌 Advanced Materials に表紙論文として掲載された。

ディスプレイや照明に活用されるOLEDをさらに進化させるため、OLEDの外部量子効率(external quantum efficiency:EQE)を向上させる手法が盛んに研究されている。最近開発された有機半導体単結晶(Organic Semiconducting Single Crystal:OSSC)もその1つである。今回、研究チームは、効率の大幅な向上を目的として、抗生物質アンピシリンを用いた新たなOSSCの収束型(convergent type)である「アンピシリン微細構造(ampicillin microstructures:Amp-MS)」を作製した。

チームはAmp-MSを用いて改良したOLEDで平均63.4%のEQEを達成し、光電素子の効率をさらに向上できることを証明した。

この論文で解説されたAmp-MSを用いて光子収集(photon-harvesting)を行う機構は、新たなタイプの光電素子の開発に役立つと期待される。またこの研究は、光電素子への抗生物質の活用における新たなマイルストーンとなった。

今回の研究は中堅研究者を対象とした同大学の研究助成プログラム(Mid-career Follow-Up Research Program)の支援を受けて行われた。研究を率いたリュ・スンユン(Ryu Seoung-yoon)教授は「この研究成果を基に、将来のディスプレイ業界で必要となる先進材料を開発したい」と今後の目標を語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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