2022年11月
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展示物の内部を透視する「魔法のARレンズ」開発 韓国

韓国科学技術院(KAIST)の研究チームが、博物館の展示物の表面に置いて内部を表示できる拡張現実(AR)デバイス「WonderScope」を開発した。10月24日付け発表。

この研究は、カナダ・バンクーバーで8月に開催された、コンピューターグラフィクス・インタラクティブ技術に関する国際カンファレンスACM SIGGRAPで、革新的な次世代技術を表彰する「Emerging Technologies Best in Show」の「Honorable Mention」賞を受賞した。

国際カンファレンスACM SIGGRAPで紹介

モバイルデバイス向けのARアプリは現在多くの科学博物館で導入され、展示物のデジタル情報や独自の体験を提供している。しかし、来場者は展示物から一定の距離を空けてかざしたデバイスの画面を見る必要があるため、展示物そのものよりもデジタルコンテンツに集中しがちである。

これを解決するため、同チームはRFID(Radio Frequency Identification)技術を用いて、展示物の表面から直接使用できる「魔法のARレンズ」を実現した。WonderScopeは展示物の表面に取り付けた小さなRFIDタグを読み取り、光変位(optical displacement)センサーと加速度センサーの測定値に基づく相対的な動きを追加して、展示物の表面で動くスマートフォンの位置を計算する。

人体のモデルにスマホをかざす

地下鉱物探査ゲームのデモンストレーション

アポロ11号の月面探査を経験するデモンストレーション
(提供:いずれもKAIST)

WonderScopeは直径5センチ、高さ4.5センチの円筒形のアプリ連動デバイス(appcessory)で、スマートフォンに取り付けてBluetoothで接続し、展示物の表面に置くと、透視しているかのように内部の映像が画面上に表示される。

この技術は韓国内の2カ所の博物館の特別展示で実際に使用され、その結果を基に改善された。研究を率いたKAISTのイ・ウフン(Lee Woohun)教授はWonderScopeについて「教育や産業的な展示を含むさまざまな用途に活用できる。子どもの好奇心を刺激するインタラクティブな学習ツールとしても利用できると考えている」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部