2023年01月
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「DNAオリガミ」で細胞凍結保存のための凍結保護剤を開発 韓国

韓国の高麗大学校(Korea University)とソウル大学校(Seoul National University)の共同研究チームは、「DNAオリガミ」技術を用いて、細胞を凍結保存する際の凍結保護剤として優れた性能を示す生体適合性DNAナノ材料を開発した。

細胞の凍結保存技術が進歩するにつれ、付加価値が高い生体試料や製品を安定して凍結保存できる技術への需要が高まっている。しかし、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の従来の凍結保護剤は細胞毒性を有する。また、融点を下げるためにこれらの化学物質を高濃度で使用することにより、生体試料の損傷や、患者における有害事象のリスクが生じる。

高麗大学校のアン・ドンジュン(Ahn Dong June)教授とソウル大学校のキム・ドニュン(Kim Do-Nyun)教授が率いる研究チームは、凍結保護効果を持つタンパク質配列とDNAナノテクノロジーを用いて作られたオリガミ構造を組み合わせることにより、この凍結保護物質を開発した。この物質はDMSOと比較して、極めて低い濃度(1/3500)で約50%高い細胞回収率(cell recovery rate)を示し、細胞毒性を示さなかった。

本研究は、DNAオリガミ構造を細胞の凍結保護に応用した初めての例であり、研究成果はDNAを用いた凍結保護物質の開発における基盤的技術になると考えられている。研究チームは現在特許ポートフォリオの構築を進めている。

2022年12月1日付け発表。研究成果は同年10月に学術誌 Science Advances に掲載された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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