2023年01月
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熱蒸着法で低コストの半導体製造プロセスを開発 韓国

浦項工科大学校(POSTECH)の研究チームは、単純な熱蒸着(thermal evaporation)法を用いて高性能なN型硫化ビスマス(Bi2S3)半導体とP型テルル(Te)半導体を作製することに成功した。

今回開発された半導体は、第8世代の大型有機発光ダイオード(OLED)やさまざまな半導体回路の製造に用いられている熱蒸着法を用いて大面積に成長させることができ、低コストで環境に優しい技術として注目されている。

ノ・ヨンヨン(Noh Yong-Young)教授らが率いる研究チームは、グラフェンと似た2次元材料である遷移金属カルコゲン(transition metal chalcogen)を使用し、従来の溶解方法ではなくBi2S3を用いた熱蒸着により半導体の薄膜を形成した。これにより、電荷の量を単純な熱処理によって制御し、不純物を添加(doping)せずに半導体と導体を自由に作製できる独自の技術が実現した。

(提供:POSTECH)

ノ教授は、「Bi2S3とTeは、単純な熱処理によって導体から半導体へと遷移できる非常に魅力的な物質。この研究では、高コストなMOCVD法ではなく、単純な熱蒸着法を用いて、ウエハースケールのN型・P型トランジスタと相補型インバーター回路の作製に成功した」と語った。

2022年12月21日付け発表。研究成果は学術誌 Nature Communications に掲載された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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