韓国の漢陽大学校(Hanyang University)のジャン・ジェヨン(Jang Jae-young)教授らと韓国交通大学校(Korea National University of Transportation)の研究者による共同研究チームが、共役ポリマーの溶液状態での分子ドーピング(molecular doping)反応に関する原理を明らかにした。
分子の形で添加物を加えて共役ポリマーの特性を制御する分子ドーピング技術は近年高い関心を集めている。しかし、溶液状態のポリマーにおけるドーピング挙動は詳しく解明されていなかった。
今回の研究では、主鎖の構造が同じで側鎖が異なる3つの共役ポリマーを合成して溶液状態のドーピング挙動の原理を調べ、側鎖が溶液状態における凝集(agglomeration)の程度を制御し、ドーピング効果を大きく改善することを示した。この技術は、環境発電素子、有機発光ダイオード(OLED)、有機トランジスタ等、共役ポリマーで構成されるさまざまな電子装置の性能を改善し、製造コストを低下させることにつながると期待されている。
2022年12月20日付け発表。この研究成果は学術誌 Advanced Functional Material に掲載され、表紙論文に選ばれた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部