2023年05月
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ウェアラブル型で高感度な圧電式血圧センサーを開発 韓国

韓国科学技術院(KAIST)は4月17日、同院の材料科学・工学科(Department of Materials Science and Engineering)のイ・ジェ(Lee Jae)教授が率いる研究チームが、ウェアラブル型で高感度な圧電式血圧センサー(Wearable Piezoelectric Blood Pressure Sensor:WPBPS)を開発したと発表した。韓国カトリック大学(CUK)医学部(College of Medicine)との共同研究。この研究成果は、Advanced Materialsのオンライン版に掲載された。

近年、血圧を連続的にモニタリングするヘルスケア機器への関心が高まっている。LEDベースの光電式容積脈波記録(PPG)技術を利用したスマートウォッチが市販されているが、光学センサーの制約上、精度には限界があり、自動血圧計の国際規格を満たすことは難しかった。

イ教授のチームは、高感度な無機圧電膜をバルクサファイア基板からフレキシブル基板に転写することによって、圧電式血圧センサーを開発した。厚さ数マイクロメートルの超薄型圧電センサーは、血管の微妙な脈動から正確な血圧を取得することに成功した。さらに、カトリック大学附属病院での臨床試験において、この血圧センサーの精度が国際規格と同等であることが実証された。研究チームはまた、このセンサーをウォッチ型製品に組み込むことで、血圧を継続的に測定できるようにしている。

イ教授は、「今後は、睡眠中の血圧をモニタリングするパッチ型センサーの開発も計画しており、近いうちにこれらのウォッチとパッチ型製品をスタートアップ企業に商品化してもらう予定だ」と語った。

ウェアラブル型で高感度な圧電式血圧センサー (WPBPS) の全体概念の概略図

(a)時計に取り付けられたウェアラブル型で高感度な圧電式血圧センサー (WPBPS)の仕組みなど
(出典:いずれもKAIST)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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