韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は6月6日、フランス・パリの経済協力開発機構(OECD)本部で開催されたOECDグローバルテクノロジーフォーラムに出席し、新しいデジタル秩序に関する議論を主導した。
同フォーラムは、2022年12月にスペインで開催されたOECDデジタル経済閣僚会合で立ち上げられたもので、技術の進歩から生じる長期的な機会と課題を特定し、新たなテクノロジーに関する政策議論を形成する上で主導的な役割を果たすことが期待されている。
今回のフォーラムは、「Shaping Our Future at the Tech Frontier(テクノロジーフロンティアにおける未来を形作る)」をテーマに開催された。没入型技術や合成生物学に関する詳細な議論が行われたほか、技術の進歩がもたらす経済的・社会的影響を検討する多国間対話では、「普遍的な人間の価値観に基づく責任あるテクノロジー開発・利用」「気候変動への対処とレジリエントな社会の促進に役立つ新たなテクノロジー」「デジタルデバイド(情報技術格差)」の3つのトピックが取り上げられた。
MSITのソン・サンフン(Song Sang-hoon)総局長は、「責任ある、価値ベースかつ権利指向のテクノロジー」に関するセッションに基調講演者として参加した。同氏は、テクノロジーライフサイクルに関わるすべての関係者が、人間の普遍的価値を尊重する役割を果たすことによって新しいテクノロジーに対する社会的信用を高める必要があることを強調し、そのための韓国の主な政策として「メタバース倫理原則」と「AI倫理原則」を紹介した。
MSITは、「今回のフォーラムは、韓国が確立しようとしている新しいデジタル秩序の主な内容をOECD加盟国と共有する有意義な機会となった」とコメントした。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部