2023年08月
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睡眠時間の最短は日本、最長はフィンランドー韓国と英国の共同研究

韓国科学技術院(KAIST)と英国のノキアベル研究所(NBL)の研究者らによる睡眠研究から、地理的・文化的要因が個人の睡眠時間や就寝時間に大きな影響を与えることが明らかになった。7月7日付け発表。研究の成果は、Natureの電子版Scientific Reportsに掲載された。

アンケートやコントロールされた実験室実験に基づく従来の睡眠研究とは対照的に、研究チームは、市販されているノキアのスマートウォッチを使用している11カ国3万82人から4年間にわたり収集した5,200万件の睡眠ログを分析した。

(出典:KAIST)

分析の結果、個人の睡眠は地理的な場所と文化的要因と強く結び付いていることが判明した。起床時間はほぼ同じだったが、就寝時間は国による違いが大きく、GDPが高い国ほど就寝時間が遅くなる傾向が見られた。また、個人主義指標(IDV)が高い国ほど睡眠時間が有意に長かった。一方、集団主義スコアが最も高い日本とスペインは、就寝時間が最も遅かった。調査対象国の中では、日本の睡眠時間が最も短く平均7時間未満であったのに対し、最も長いのはフィンランドで平均8時間だった。

今回の研究からはまた、日常的な活動量が増えると入眠と起床に要する時間が短くなることも明らかになった。しかし、運動の影響は国によって異なり、米国やフィンランド等ではより顕著な影響が観察された一方、日本では運動による明確な影響は見られなかった。こうした知見は、日常的な活動と睡眠との関係は国によって異なり、異なる文化では、異なる運動方法がより効果を発揮する可能性を示唆している。

研究チームは、ハイテク睡眠産業の発展に貢献するため、この研究で開発された睡眠指標について簡単に計算できるコードを無料で公開するとともに、今後の各種睡眠研究のためにベンチマークデータを提供することを予定している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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