2023年08月
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子宮内膜の再生を誘導するハイドロゲル開発、不妊症治療に貢献へ 韓国

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は7月3日、機械工学科(Department of Mechanical Engineering)のチョ・ドンウ(Cho Dong-Woo)教授率いる研究チームが、子宮内膜の再生を誘導するハイドロゲルを開発し、子宮内膜の再生プロセスを制御するメカニズムを初めて明らかにしたと発表した。この研究成果は、Advanced Functional Materialsに掲載された。

(出典:POSTECH)

チョ教授らPOSTECHの研究者とCHA医科大学校(CHAHES)の研究者の共同研究チームが開発したハイドロゲルは、子宮由来の脱細胞化細胞外マトリックス(uterus-derived decellularized extracellular matrix:UdECM)をベースにしたもので、子宮組織全体と子宮内膜の特定の層という2つの組織の特徴を持つ。脱細胞化細胞外マトリックス(dECM)とは、核や細胞膜などの細胞成分を除去した生体分子の集合体であり、生体内の環境に近いため、心臓や腎臓などの組織や臓器の再生や移植に用いられるものである。

研究チームが開発したハイドロゲルをマウスに注入したところ、子宮内膜の厚みが回復し、胚の着床に適した環境を作り出すことが判明した。また、どの組織からハイドロゲルを作るかに応じて、子宮腔癒着や着床不全の繰り返し等の様々な症状に対する治療効果が確認された。研究チームはさらに、インスリン様成長因子(IGF1)とインスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP3)が子宮内膜再生に関与していることを発見した。

研究を率いたチョ教授は、「(我々が開発したハイドロゲルの)臨床応用に関する研究が進み、不妊に悩む患者に希望をもたらすことを期待している」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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