韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は8月9日、経済関係閣僚の緊急会合で、インテリジェントホーム技術の導入を促進するためのさまざまな施策をとりまとめた「インテリジェントホーム(AI@Home)構築・推進計画」を発表した。
インテリジェントホームは世界的なトレンドとして台頭しつつあり、2022年10月に公表された共通規格「Matter」への統一が進んでいる。米国や中国では、インテリジェントホームの普及が拡大する一方、韓国のスマートホームは、サービスが壁掛けタブレットやAIスピーカーにとどまっており、まだユーザーも少ない。また、建設業界と家電業界がさまざまな規格を採用していることも、市場の発達の妨げとなっている。
こうした状況に対応するため、MSITは、移行期を積極的に活用してインテリジェントホームの新市場創出を計画的に支援するさまざまな施策を盛り込んだ総合的な計画を策定した。
計画ではまず、パイオニアプロジェクトを通じ、Matter規格と生成人工知能(AI)に基づくインテリジェントホームのモデルの導入と検証を行い、AI@Home認証制度を確立する。そして、建設や家電、機器製造、AIの各分野の民間企業の積極的な協働を促すためにインテリジェントホーム連合を年内に発足させる。
また、インテリジェントホーム業界の世界的な競争力を高めるため、輸出の促進やアフターマーケットの育成等にも取り組み、年内にMatter規格の国際認定センターを設立することによって、国内企業が国際認証を受けやすくするほか、中小の機器メーカーを支援するためのサポートセンターも設立する。
さらに、エンドユーザーがさまざまなインテリジェントホーム製品を自分で自宅に取り付けられるようにするため、アフターマーケットのエコシステムを育成する。計画には他にも、「WiFi7」の導入や光ファイバーケーブルへの移行、セキュリティ強化対策などが盛り込まれた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部