韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は、今年11月にアラブ首長国連邦(UAE)で193カ国が参加して開催される世界無線通信会議2023(WRC-23)に向け、8月14日から19日までオーストラリアのブリスベンで開催されたアジア・太平洋電気通信共同体(APT)会議準備グループ(APG-23)の第6回会合に参加した。
今回の会合は、WRC-23に向けてアジア太平洋38カ国の共通認識を確立するための最後のチェックポイントの役割を果たした。会合には、加盟国代表団や関係者ら約460人が出席した。
議長国を務めた韓国は会議中、新しい周波数資源を探るための国際協力に積極的に関与した。その目的は、移動体通信用の周波数について堅固な研究を可能にし、6G時代の基礎を築くために不可欠な2027年以降のWRCに備えることにあった。その結果、会合の成果物である「APT View」において、6G移動体通信用の周波数に関する研究の必要性が正式に認められた。韓国は、このAPT Viewが11月に予定されているWRCセッションで将来の議題として取り上げられるよう、6G周波数に強い関心を持つ国々と継続的に協力していく意向である。
衛星通信の分野においては、衛星を利用して高速ブロードバンド通信サービスを提供する地上局ESIM(Earth Station in Motion)の運用ガイドラインに関して合意に達した。合意には、地上と衛星の運用の非干渉条件と、干渉が発見された場合の除去手順が盛り込まれた。
さらにMSITは、国際電気通信連合(ITU)と民間セクターの専門家との間で了解覚書を締結することによって、韓国内の6G専門家を引き続き国際舞台に派遣するための措置を講じた。
MSITのチェ・ウヒョク(Choi Woo Hyeok)電波政策局長は、「国内の産業界や学界との活発なコミュニケーションに基づき、11月に開催されるWRC-23で韓国の立場が最大限反映されるよう、引き続き国際協力を強化していく」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部