韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は9月19日、有識者による審議機関「科学技術外交フォーラム」の開幕を発表した。活動期間は、2023年9月から12月まで。
2021年に始まり今年で3回目となる科学技術外交フォーラムの目的は、科学技術分野における国際協力や外交に関連する政策課題を把握し、関係専門家による対話の場を提供することで、技術覇権を争う時代に備えることにある。
今年は、過去の単発のイベントとは異なり、実現可能な成果を生み出すために3カ月にわたって議論や討論が行われる。内容に関しては、政権の外交ビジョンに沿った科学技術分野の国際協力を実施する方法を模索するほか、来年度から国際協力関連の研究開発予算が大幅に拡大されることに備え、国際協力政策やプロジェクトの課題を洗い出す。さらに、研究者の国際協力活動に対する支援策もフォーラムを通じて策定される。
フォーラムは研究開発に関するトピックを取り扱うサブグループと、国際協力活動の調整や活動基盤の確立といった研究以外のテーマを取り扱うサブグループに分かれている。各サブグループには、量子技術、人工知能(AI)、先端バイオテクノロジー、宇宙、材料などの分野で活躍している30~40代の科学者と研究行政の専門家が起用されている。これらの分野は、研究協力が期待される分野であり、今後2~3年のうちに重要性がますます高まることが予想される。
各サブグループは、9月と10月に正式な会合を2回開催し、11月に議論の結果を取りまとめるための会合を開催した後、12月にサブグループのメンバーのほか、国内外の研究機関に所属する科学者・技術者、一般市民を招いて総合的な審議の場を設ける。活動の成果は、次年度のMSITの国際協力政策の方向性を策定する際の資料として活用する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部