2023年11月
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原子を1個ずつ組み立てた画期的な量子ビットプラットフォーム開発 韓国

韓国の基礎科学研究院(IBS)は、梨花女子大学校(Ewha Womans University)にあるIBS量子ナノサイエンスセンター(IBS Center for Quantum Nanoscience:QNS)の研究者が、表面上に原子を1個ずつ組み立てた画期的な電子スピン量子ビットプラットフォーム(electron-spin qubit platform)を構築したと発表した。10月6日付。この研究成果は、Scienceに掲載された。

新たな量子ビットプラットフォーム(qubit platform)の仕組み
(出典:IBS)

日本、スペイン、米国のチームと共同開発。単一の量子ビットしか制御できなかった従来の表面上の原子量子デバイスとは異なり、QNSの研究者は複数の量子ビットを同時に制御できることを証明し、1量子ビット、2量子ビット、3量子ビットのゲートの適用を可能にした。

新たに開発されたプラットフォームは、薄い絶縁体の初期状態(pristine)の表面に一つずつ配置された磁性原子で構成される。これらの原子は、走査型トンネル顕微鏡(STM)の先端を使って正確に配置され、電子スピン共鳴(ESR-STM)を用いて操作できる。この原子スケールの制御により、量子状態をコヒーレントに操作することが可能になった。また、離れた場所にある量子ビットの制御の可能性も確立され、欠陥のない環境で数十個あるいは数百個の量子ビットへと規模を拡大する道が開けた。

今回の研究は、フォトニックデバイスやイオン・原子トラップ、超伝導デバイスなどの他の量子プラットフォームからの重要な脱却となる。

QNSの主任研究者の一人であるペ・ユジョン(Bae Yujeong)氏は、「これまで科学者が表面上に構築し、制御できる量子ビットは一つだけだった。今回の研究は、マルチ量子ビットシステムへの大きな前進となる」と述べ、このプロジェクトの重要性を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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